ヴァランセ
Valencay
産地フランス、ベリー地方
原料山羊乳
乳脂肪分45%
形状上部の一辺が3.5〜4B、底辺6〜7B、高さ6〜7B、重さ200〜250gのてっぺんを切ったピラミッド状。
タイプシェーブルタイプ
季節1年中
プロフィール様々な形をしたシェーブルの中でも、その形のユニークさがひときわ目立つチーズ。
シェーブルの一大産地であるロワール河流域のベリー地方で作られている。名前の由来にもなっている‘ヴァランセ城’はこの地方に数多くあるお城の中でも最も有名で美しいお城のひとつ。
もともとはピラミッド型をしていたそうだが、ナポレオンがエジプト遠征に失敗したとき、たまたまこのチーズを見てピラミッドの形がエジプトを連想させるからと言って、腹立ち紛れにさきっぽをちょん切ったという伝説があるが果たしてそれが本当の話かどうか。
外皮は木炭の灰がまぶしてあり黒く化粧をしているが、中は真っ白。熟成してくると表面の灰に混じってグレーがかったカビが自然にはえてくる。そのころになると身の方も適当に水分が抜けきゅっと締まり、味にもコクが増して美味になる。
食べた感想シェーブルの良いところ、というか魅力のひとつに、熟成のどの段階でもそれぞれに違った味わいが楽しめるということがあります。
シェーブルはクセがあって苦手という人がいますが、熟成がまだあまりしていない若いチーズを食べると、爽やかな酸味があり塩加減も程良くてすんなりと食べることができると思います。そして熟成してくると独特のコクやクセがきわだってきて、このクセがこたえられないという人にとっては最高においしいチーズとなります。
しかしシェーブルチーズは熟成や適正な保管をするのが非常に難しいチーズと言われていて、日本に輸入されて日本国内で上手に熟成させるにはそれなりに環境を整えて気を配らないとないとならないようです。輸入されて日にちが経っているシェーブルより輸入されてすぐのもののほうが、悪くなっていない確率は高いかもしれません。
今回、近所のお店で買ったヴァランセはどうやら輸入されてからは日にちが経っているようで、1/4にカットされてラップフィルムに包んで売られていました。包みを開いてみると少し湿り気が気になります。カラカラに乾燥しているのもヴァランセの場合はあまり良くはないと思いますが、ぐじゅぐじゅになったものも・・・。表面はもうどろどろに柔らかくなっていて、室温に置いていたらアイスクリームが溶けたかけたように、形が崩れてしまっていました。
一口食べると少しピリリと刺激があり、悪くなっているのかなぁと少しがっかり。劣化したチーズと判断しかけて危うく破棄しかけました。が、バターナイフの先に少しのせてチビチビと舐めるように食べていくうちに、刺激は気にならなくなり、それよりも口に中に広がるミルクが発酵したことによって生じるコクと、山羊乳独特のクセがえもいわれぬ美味しさで、どんどんと後を引きます。
「シェーブルにはきりっと辛口のロワールの白ワイン」というのが公式ではありますが、酸味より塩気がちょっと気になるこれくらいの熟成にはシェーブルには4〜5年くらいたったシノン(ロワールの赤ワイン)に合わせてみたらすごくおいしいでしょうね。
合うワインロワール産のワイン。白ワインならプイィ・フュメとかサンセール、そしてヴーヴレなど。赤ワインならシノン、ソミュール・シャンピニーなど花の香りのするかわいらしいワインと。
合うパンバゲット、全粒粉のパン。






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