オッソ・イラティー
Ossau-Iraty
産地フランス、バスク地方、ベアルン地方
原料羊乳
乳脂肪分50%以上
形状直径25.5〜26cm、高さ9〜12cm、重さ4〜5kgの円盤形
タイプセミハードタイプ
季節1年中(旬は9〜12月)
プロフィールスペイン国境にあるピレネー山脈のフランス側にあるバスク地方とベアルン地方の羊乳のチーズ。このバスク地方に住む人々はフランス人ではあるが、「心はバスク民族」という誇りを持っている。それだけこの地方固有の言葉や伝統を大切にしていて、チーズもこの地方ならではの羊乳のチーズが数多く存在している。
オッソ・イラティーという名前の由来は、「オッソ」とはベアルン地方にあるオッソ渓谷から、「イラティー」とはバスク地方のイラティー森林地帯から来ている。というのも、もともとこの地方で伝統的に作られていた羊乳のハードタイプのチーズを、1980年にAOCを獲得するにあたってこのように呼ぶようになり、AOCの規定に準じて製造されたものは「オッソ・イラティー・ブルビ・ピレネー」(これが本名)とよび、規定外は単に「羊のチーズ」と言う名前で売られている。
標高平均1000m、傾斜が急な土地が多いこの地方は牛の放牧には向かず、昔から羊が人々の生活と共にあった。羊は夏〜12月にかけて妊娠期間に入るので、それ以外の期間しか搾乳ができない。そして放牧が始まり、自生の草を食べている5月頃からの乳は香りが高く、その乳で作ったチーズは最高とされている。
外側はオレンジがかった固めの皮で、中身はタマゴ色のしっとりとした身で常温に置いておくとうっすらと脂肪が浮き出てくる。
食べた感想先月紹介したロックフォールと同じ羊のミルクのチーズですがロックフォールに比べて非常にクセがなく食べやすいチーズです。
同じ羊のミルクのハードタイプのチーズでイタリアのペコリーノ・ロマーノやペコリーノ・トスカーノなどに比べても臭いという違和感が驚くほど少ない羊のチーズです。
私もチーズを食べはじめた初期の頃に食べた印象というものは「羊のチーズって思ったよりクセがなくて特徴がないなぁ」というものでした。
自分で開いているチーズ会で取り上げるにあたって、先日、改めて真面目に試食をしてみました。確かにそれほどクセのある匂いなどはしないのですが、やや濃いめのタマゴ色の身はぎゅっとミルクが凝縮したような旨みがあり、やはり牛乳製のチーズとは違うあと味が口に広がります。これが羊のチーズの旨みなのかなぁ…。味が濃いんです。
こういう味のチーズは赤ワインよりもトロピカルな白ワインに非常に合うことも今回発見しました。ワインがチーズのまったりとした甘味を上手に引き立ててくれるのです。蒸し暑いこの季節、赤ワインを飲む元気がない私にはいろんなバリエーションの白ワインを楽しもうと思っているので、このチーズは重宝するかもしれません。ドイツワインにも意外とあうかもしれません。
合うワイン白ワインならあまりさっぱりとしたものはあいません。ちょっとコクのある、それも南国フルーツを思わせるような香りのする白ワインと相性がいいようです。わたしはカリフォルニアのソーヴィニヨン・ブランと合わせました。
赤ワインはあまり渋みのきついものだとチーズの旨みを消してしまうでしょう。腰のあるタイプよりミディアムボディーくらいのワインがいいでしょう。(シノンとかボージョレとか)
合うパンパン・ド・カンパーニュ。

断面の写真。メカニカルホールという穴がありました。


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