| 産地 | フランス、シャンパーニュ地方（ロレーヌ地方） |
| 原料 | 牛乳 |
| 乳脂肪分 | 45％ |
| 形状 | 1辺8.5B、高さ3B、重さ200ｇ |
| タイプ | ウオッシュタイプ |
| 季節 | 1年中 |
| プロフィール | シャンパーニュ地方にあるラングルを作る会社（シュルテンライブ社）のオリジナルのチーズ。工場はシャンパーニュ地方にあるのだが、もとになるチーズはロレーヌ地方の「カレ・ド・レスト」という正方形のウオッシュタイプのチーズ。 そのカレ・ド・レストをロレーヌ地方の特産の果物であるミラベルから作ったオード・ヴィー（蒸留酒）でウオッシュして熟成したものが「ミラベラ」だ。 チーズの表面は発色の良いオレンジ色をしていてベタベタと湿っている。匂いもそこそこ強くて漬けもの臭がする。チーズの中身はむっちりとした濃いアイボリー色の身で細かい気孔がみられる。熟成が若いと中心に芯が残っており、そこの部分はほのかな酸味が感じられる。熟成が進んでもそれほどトロトロにはならず優しい味わいが楽しめる。 |
| 食べた感想 | ウオッシュタイプのチーズってAOCに認定されているような伝統的でこだわって作られるもの以外はウケを狙ったあざといチーズだという偏見をずっと持っていました。 しかもこのミラベラというチーズはパッケージもすごく可愛らしいし、そこいらのチーズのガイド本などを見てみても「食べやすい」ということが一番ウリのような書かれ方をしているので、これはきっと初心者向けのチーズで食べたらすごく物足りなさや味の薄っぺらさを感じてしまうに違いないと思っていました。しかしまさにそれは「食べず嫌い」ということが、最近何度か食べる機会を得て判明しました。 ウオッシュタイプのチーズの場合、なかなかちょうど良い熟成状態のものに出会うことが難しいと思います。輸入したてのものは総じて未熟なものが多くて芯や固さを感じるものが多くて、まだ独特の熟れたような腐ったような熟成感がありません。では賞味期限ぎりぎり、あるいは過ぎたものを食べてみると熟成の状態が良くなくて苦みが出過ぎているものがあったりします。 ミラベラも今まで何度か食べた経験では、まだ未熟でサッパリとしているものに出会う確立が高いように思います。そのような状態のものは、ウオッシュタイプのチーズというよりはフレッシュタイプや白カビタイプのチーズのように抵抗なく食べられる親しみを感じることが出来ます。しかし回りをお酒で洗ってあるだけあり、アルコール飲料との相性はばっちりです。 まさに今が食べ頃です！という状態のミラベラはまぁなんと妖艶で美味しいことでしょう。このチーズの特性（だと思う）で熟成をしてもチーズが流れ出すほど柔らかくなりません。しっかりと形を保ちつつ、チーズは柔らかくふっくらと熟成して外皮がぷんぷん匂います。味は流れ出すタイプのウオッシュタイプのように塩味がとんがって感じられないので、ミルクの甘みやボリューム感を十分に堪能することが出来ました。しかしチーズじたいがそれほど強くないのでボディーの強いワインと合わせてしまうとチーズの妖艶さが消えてしまいます。 一般のチーズ本に書かれている「食べやすい」というコメントがどうもつまらないチーズなのでは・・・と勝手に想像していましたが、食べ頃といわれるちょうど良い時期に当たると人間のお年頃の娘のごとくそのチーズなりの魅力を発揮していることを知りました。 残念ながらまだ蒸留酒を楽しむ経験がまだ浅いのでチーズを洗っている蒸留酒ミラベルの風味やチーズに与える影響を感じ取ることが出来ないのですが、ミラベル（オード・ヴィー）とともにミラベラ（チーズ）を食べるとまた違った発見があるのかもしれません。 |
| 合うワイン | ミディアムボディからややフルボディの赤ワインを。柔らかい味わいのワインがベスト。渋みの強すぎるワインは適さないです。 |
| 合うパン | バゲット、パン・ド・カンパーニュなど。 |
パッケージ。「カレ・ド・レスト」の文字が。
yuko@yuko-cheese.net : Send Mail
「ゆうこ・チーズ・ＮＥＴ」トップページへ