マロワール
Maroilles
産地フランス、ティエラシュ地方
原料牛乳
乳脂肪分45%
形状(大)1辺12.5〜13B、高さ6Bの長四角型、重さ720g
(ソルベ)大型の3/4、重さ540g
(ミニョン)大型の1/2、重さ360g
(カール)大型の1/4、重さ180g
タイプウオッシュタイプ
季節1年中
プロフィールフランスとベルギーとの国境にほど近い「マロワール」という村に、7世紀に大修道院ができた。そして962年から修道院で作られていた1000年物古い歴史を持つウオッシュタイプのチーズがマロワール。表面を塩水で何度も洗うことで特有の濃いオレンジ色と粘り気を生み、匂いも古漬けの様な強い匂いが特徴。チーズの中身はトロリと流れるような柔らかさはなく、むっちりとした身である。チーズのサイズが700gを筆頭に4タイプある。
カタチの崩れたマロワールにハーブやスパイスを加えてパプリカで色づけした「ブーレット・ダヴェヌ」や白いマロワール(熟成していない)にハーブなどを加えて作る「ドーファン」などアレンジチーズもある。
食べた感想マロワールってフランスのAOCのウオッシュタイプのチーズの中でも何だか一番知名度が低いように感じてなりません。エポワス、リヴァロ、ポンレヴェック、モンドール、ラングル、マンステール・・・・挙げたらたくさんウオッシュタイプでもAOCチーズはあるのですが、店頭でも一番見かけないのではないでしょうか?しかもこれまでマロワールを幾度か食べてみたけれど、「美味しい」と感動することがほとんどありませんでした。どちらかというと地味な感じがするので、どうしても華やかなウオッシュタイプやわかりやすい美味しさのウオッシュタイプのチーズに埋もれてしまっていたのかもしれません。
そんなマロワールですが、私の担当するチーズ講座で紹介することになりこの度チーズ屋さんに初めて注文しました。するとひとつの大きさが700gもする「ソルベ」というサイズしか扱っていないとのこと。やむおえず注文をして改めて意識して食べてみたところ、失礼ながら意外と味わい深いチーズでした。これまで食べてきたマロワールは大味で何だか蒲鉾か練り物か・・・・というような印象をいだいてしまう物ばかりでしたが、今回食べたものはミルクの旨みや甘みがほんのりと漂い、ウオッシュ特有の臭さも変にひねていない匂いで、穏やかなチーズでした。そして穏やかさ故に感じられる奥行きのある旨みが食べていて楽しさを感じることができました。
マロワールはベルギーにかなり近い地域で作られているので、ビールなどと合わす食べ方もあるそうです。ビールを混ぜた塩水でウオッシュする造り手もあるそうで、フランスでもそれぞれの地域によって独特の作り方や熟成、そして食べかたってあるもんなんだ・・と、興味深く思います。
ウオッシュタイプのチーズでたまに感じるのですが、ベタベタとした湿った表面を食べると「ジャリ」とするのですが、これって一体何なんでしょうね?リネンス菌のカタマリかしら??
合うワインフルボディーの赤ワイン。上品すぎるワインよりはどちらかといえば粗野な感じのワインのほうがいいかもしれません。あとベルギービールなんかにはどうでしょうか?
合うパンバゲット、パン・ド・カンパーニュ(田舎風のパン)など。




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