リヴァロ
Livarot
産地フランス、ノルマンディー地方
原料牛乳
乳脂肪分40%
形状通常サイズは直径12B、高さ4〜5B、重さ約450gの円盤型。
その他にプティ・リヴァロ(直径9B)、カール・リヴァロ(直径7B)などがある。
タイプウオッシュタイプ
季節1年中
プロフィールリンゴと牛の故郷であるノルマンディの代表的なウオッシュタイプのチーズ。
同郷のカマンベールポン・レヴェックと同様にこの地方にある「リヴァロ村」という村の名前がそのままチーズの名前になっている。
この地方のチーズの中ではもっとも歴史が古いチーズのひとつで、1600年代後半には存在していたとされている。あのカマンベールチーズの形も、もともとはパリを追われた修道僧がノルマンディの農婦に作り方を伝えたときに用いたチーズの型がリヴァロの型だったということで、ブリーのように大型でなく小形の円盤型になったということだ。
リヴァロの側面には3本ないし5本の葦のひも(レーシュ)が巻かれている。これは型くずれを防ぐために巻かれていたものだが、最近では葦を使わずオレンジ色の紙テープを用いていることが多い。このトレードマークの5本線が陸軍大佐の階級章の5本線に似ていることから「コロネル(陸軍大佐)」というニックネームで呼ばれている。
天然色素のアナトーを混ぜた水、または塩水で洗うため表皮は赤みがかったオレンジ色で湿っている。匂いが非常に強く古漬けのような匂いがする。チーズの中身はむちっとしていてアイボリー色。匂いと反して優しいミルクの味。
食べた感想どんなチーズでもたいていおいしいと思うし、癖が強くても全然気にならないのですが、ほんのいくつかのチーズだけ苦手だなぁと思っているものがあります。
リヴァロもそのひとつ、他のウオッシュタイプ(エポワスとかマンステール)は非常においしいと思うのですが、このリヴァロばかりはおいしいなぁと心から感心したことがありません。どうも変な苦みが気になるのです。チーズに関する本を読んでみるとなるほどあまり熟成が進んだものよりも、若めの方が日本ではおいしく食べられるということ。
今回買ったリヴァロは表面はあまり湿っていないし匂いもきつくない若いものでした。側面に巻いているひもも紙テープではなく葦のようです。
切ってみるとむっちりとしていて(サンネクテールやルブロションのようでした)、気泡がポツポツと空いています(これはメカニカルフォールっていうのかな?)。このようなまだ若いリヴァロを食べてみて思ったこと。それは「なんだポン・レヴェックと同じ味じゃん」。そうなんです、さすが同郷のチーズだけあって、身のむっちりのしかたや気泡の空き方、そして味そのものも印象がすごくよく似ています。そういえば外皮の色も若干リヴァロの方が赤みがかってはいますが、かさつき加減といい模様といいよく似ています。臭い臭いと思っていたリヴァロも、メーカーによったらわりと食べやすいものもあるのでしょうか。
そしてチーズの味は、ほんとに優しい味なんです。口の中に広がるじんわりとしたミルクな甘みが、降水量の多い緑豊かなノルマンディ地方の牛が牧草を食んでいる様を彷彿とさせ(実際には見たことないが)、その牛のミルクならではの深みのあるコクを感じます。あまりおいしいので約100gをあっという間に食べきってしまいました。
もう少し熟成が進んでチーズの醍醐味が味わえるようなリヴァロに出会ってみたいものです。
合うワイン断じて赤ワイン。かなりハニー香の強いシャルドネ種のワインと合わせてみました。悪くはないのですが、次にややタンニンの強めの赤ワインと合わせてみたら断然こちらの方がおいしい。ボルドータイプのワイン、バルベラ種のワインなんかどうでしょうか。リヴァロとパン・ド・カンパーニュと赤ワイン、これが最高です。
合うパンライ麦入りのパン。天然酵母のパン・ド・カンパーニュ。



葦?藁?とにかく紙テープではありませんでした。




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